The Edukators

 時事をcatch upするのはなかなか大変。違和感は感じていても、うまく文章にできないうちに、時事ものは過ぎ去って行く。
 そんなわけで、今日も時事とは関係なく、ちょっと前の映画の紹介(ネタバレしないように書くのってむずかしい〜、してたらごめんね)。

 「ベルリン・僕らの革命」(原題:The Edukators) (ハンス・ワインガルトナー監督)というドイツの映画を紹介します。「グッバイ・レーニン」や「ラベンダーの咲く庭で」で一躍注目若手俳優になった、ダニエル・ブリュールが主演の映画です。

 正義感の強いヤン(ダニエル・ブリュール)は、グローバル企業のナイキが、安い労働力としてアジアの子どもたちを働かせている実態などを、街頭で訴える活動をしています。さらに彼は友人ピーター(スタイブ・エルシェッグ、硬派ないいヤツです)と密かにお金持ちの住む邸宅に夜中こっそり忍び込み、部屋の模様替えをし、「ぜいたくは終わりだ」のメッセージを残す「テロ活動: The edukators」をしています。この活動の掟は、「絶対に盗まない」こと。
 友人が旅行で不在のとある日、ヤンはピーターの恋人ユール(ジュリア・ジェンチ)と仲良くなり彼女の悩みを知ることになります。その悩みとは、アウトバーンでベンツと接触事故を起こし、弁償費用として100万ユーロの借金を負ってしまい、毎月ウエイトレスのアルバイトで稼いだ費用も借金の返済にとられ、住み慣れたアパートから手頃なアパートへ引っ越さなくてはならない、ということでした。同情したヤンはピーターと二人だけの秘密、「The edukators」のことをユールに話してしまいます。それを聞いたユールは事故相手の生活を知りたいと言います。彼女を「テロ活動」に巻込むことにためらっていたヤンでしたが、二人で忍び込むことになりました。プール付きの家、何台もある高級車、ビンテージもののワイン。彼女が青春の大部分を捧げている借金の種ベンツは、資産家の男にとって道楽にすぎない現実を目の当たりにし、二人の模様替えはエスカレートして行きます。
 首尾よく「活動」を終え上機嫌に帰宅した二人。しかし、ユールの携帯電話が見当たりません。足がついて二人は犯罪者になってしまうかもしれない・・・。
 そこから物語は急展開。あとは観てのお楽しみ。

 「いまの世の中、複雑すぎてなにが諸悪の根源なのか、何に怒っていいのか分からない。」という主張に象徴される三人の若者の抱える閉塞感。革命といいながらも、ナイーブで、大それたことはできない自分。無関心な人々への啓発活動をしてはいるけど、どこまでも募る無力感。昔は反体制活動あったからいいよなー、今は犯罪だもの。この気持ちは、私を含めた今日の反体制の人々が抱えている気持ちに重なるのではないかなあ。
 一方、「昔は俺も反体制活動にどっぷりつかってたんだがな。みんな恋愛も楽しんどったよ」と語る資産家。人生の酸いも甘いも噛み締めて魅力的ですらある資産家に、団塊の世代が重なって見える。
 30数年前のあの熱はいったい何?
 なぜ、おなじ人が、今押し黙っているの?
 ・・・・・・。
 
 全編を貫く、もどかしさと危なっかしさに溢れた、友情と愛情の糸が織りなす青春物語。
 
 わたしはこの映画かなり好きです。若者の独善さがいい。映画に溢れる人に対する柔らかい視線がいい。紆余曲折を経て、緩いけど堅い関係を構築する若者。ラストも小気味いい。若いっていいなあ。瑞々しい感受性。イノセントな理想主義。それゆえに溢れる独善。ちょっと照れくさそうに振り返ってしまう、自分の青春が思いだされます。
 こんなふうに思う自分はかなりアナーキーなのかしらん。

 ところでなぜに今頃こんな映画を思いだしたのでしょう???
 こたえは、最近無性ーに、生駒の山から降り注がれる暴力に抗したい気持ちになるからでした。
 よくわからん・・・という人は是非みてね。
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by pantherH | 2005-10-28 02:06 | 映画
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