ヴェロニカ・ゲリン

 読み朝る毎ブロガー同盟という同盟があります。国民に伝えるべきことを伝えず、小泉改革のまやかしを支えた大手新聞社に、ちゃんと伝えなきゃいけないことを公正に伝えてくれ、というメッセージを伝える同盟です。911選挙以降、テレビも殆ど見なくなり、新聞を読んでいても気分が悪くなるような日々が続きます。そんな折り、DVDで「ヴェロニカ・ゲリン」(ジョエル・シュマッカー監督、ケイト・ブランシェット主演)を見ました。

 物語は、赤いスポーツカーに乗ったヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)が射殺されるシーンから始まる。

 子どもたちにも麻薬が蔓延し、麻薬利権を巡るマフィア同士の抗争で毎週のように起こる殺人事件。バイヤー達が白日堂々と麻薬を売りさばき、警察に告発した者は確実に消される。人々は、通りで子どもが注射針で遊んでいるのを見ても、目を背けてただ歩き去るだけの、90年代のアイルランドがこの映画の舞台。

 一児の母でもあり、サンデー・インディペンデント紙の人気記者でもある、ヴェロニカ・ゲリンは、麻薬マフィアの取材を敢行する。徐々に本丸に迫って行くヴェロニカ、それを脅威に感じたマフィアのボスは、ヴェロニカの暗殺を試みる。しかし、その暗殺は未遂に終わる。暗殺の恐怖におののきながらも決してひるまず、取材を続け巨悪を告発するヴェロニカ。その様子を他の記者たちは野心家と冷笑する。

 議会もメディアも国民もヴェロニカの告発を片目で捉えながらも、なかなか重い腰を上げようとしない。そして、ヴェロニカが巨悪の心臓部に手をかけたその時に、彼女はマフィアによって暗殺されてしまう。ヴェロニカの凄惨な死を目の当たりにして、漸く国民も議会もメディアも声を上げはじめる。

 実在の人物、ヴェロニカ・ゲリンの物語は、今の日本の状況に多くのメッセージを投じています。不正に果敢に立ち向かう勇気と恐怖、勇気ある告発を支える家族や友人の親愛。ジャーナリストが恐怖に克ち伝える動機を支えるのも、私たち国民の支持や行動であり、また、ジャーナリストに限らず、私たちが身近で遭遇する不正にノーと言う勇気、それを支えるのも身近な人々との連帯なのだということを感じずにはいられません。

 偽装マンション事件で一人消され、ライブドア事件でまた一人。石井紘基衆議院議員暗殺など、巨悪を知ったもの、巨悪に肉迫した者は消され、暴力的手法によりジャーナリスト達の口は封じ込められている。身近な不正に対する糾弾もリストラという恐怖でその芽を摘まれている。勇気ある告発を促すのも支えるのもまた私たち自身であることを認識させられます。
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by pantherH | 2006-01-22 23:51 | 映画
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