共謀罪は断固廃案だ

 UTSのコラムを書き上げて、UTS-HOMEを覗くと、今日にも与党自民党が民主党案を受け入れて「共謀罪」を本国会で成立させるべく、委員会で採決に踏み切る模様との情報が入って来た。

 権力側が如何様にも恣意的に運用出来る法律であり、現に911以降のアメリカでは共謀罪のもと市民運動家や平和活動家がターゲットにされています。居酒屋で冗談で「やりてー」と言ったら逮捕されるというのは大袈裟だと思うかもしれませんが、そのような拡大解釈の余地を充分に残した、如何様にも適用しうる恐ろしい法律です。少しでも権力に意義を申し立てたら、権力にマークされたら、如何様にも料理される。権力はお上だけとは限らず、会社だってそれに楯突くものを、これを使って如何様にも調理することが可能な法律です。

 私は、旧東ドイツに留学され、東ドイツの密告社会をまじまじと体験され、密告により四六時中、秘密警察に尾行された経験のある方から、密告社会の恐怖を聞いた事があります。彼はただ図書館にドイツ古典文学を研究しに通っていただけだったのですが、事もあろうか同僚の密告によりスパイ容疑をかけられたのでした。殆どノイローゼになり、ボロボロになって帰国され、後に同僚が密告者であったと知った時、凄まじい人間不信から生きる事が嫌になったと述懐していました。そんな彼を救ったのはベルリンの壁の崩壊でした。相互不信に陥りながらも、自由を求め希望を求め壁を壊した市民を見て、彼は東ドイツでの出来事を許そうという気持ちになれたのだと言います。

 なぜ私たちはこの時代に、そのような暗黒社会に生きなくてはいけないのでしょうか。東西冷戦が終焉し、漸く世界的に民主主義を如何に育むか知恵を出し合おうとしている時に、このような暗黒社会を求めなくてはいけないのでしょうか。

 映画『蝶の舌』で、反ファシスト活動に加担した容疑で連行される大好きな老先生に向かって、泣きながら罵声を浴びせる少年の「こんな世の中に、こんな世の中にしたのは誰だ」という魂の悲痛な叫びを再び繰り返さない為に、共謀罪は廃案にしなくてはいけません。

 民主党の方々、マスコミの方々、それから国民のみんな、廃案にむけてもう一度声を上げましょう。

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by pantherH | 2006-06-02 00:50 | 社会
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